その1 虹色に輝く液晶アクセサリーの作り方 |
液晶はどうやって表示しているの
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カメラで接近して撮りました. | |
いかがですか.ここまで拡大すると,白く見えたところが,赤(R)緑(G)青(B)の縞になって見えるのが分かりますね.表示画面はRGBの光る部分の明るさを制御して,いろいろな色を表示しております. RGBの光る度合を等しくすると,白に見えます. |
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かえって分かりづらいかな. さきほど,縞で見えた部分をこれだけ拡大すると,赤緑青が点で表されていますね. | |
さきほど,縞で見えた部分をこれだけ拡大すると,赤緑青が点で表されていますね. | |
さきほど,縞で見えた部分をこれだけ拡大すると,赤緑青が点で表されていますね. R(赤)G(緑)B(青)の素子一つ一つが見られます。 |
TFT表示方式 |
DSTN表示方式
TFT表示方式に対し,DSTN方式は価格が安いことで知られております.しかし,表示画面が若干劣るのが難点です.TFTは一点一点をトランジスタでON-OFFしておりましたが,DSTNは電極をマトリクス(行列)状に組み,例えば画面の左上を光らせるのに,1行目1列目の電極を作動させ,光らせます.つぎに1行目はそのままで,2列目の電極を作動させます.これを繰り返し,左から右に移動(走査)させ,右端まで行ったら,2行目1列目の電極を作動させます.これを繰り返して,全画面を移動(走査)することで,表示します.そしてDSTNはディアルスーパーツイスト(二重の超ねじれ)(Dual Super Twisted)の略です.二重とは画面を上下に二分割し,さきほどの走査をすることで,表示速度を二倍にする工夫がされた方式です.
私たちが目にする光を波と考えましょう.(でも本当は光は粒子です!)この波(光)は進む方向と垂直方向に振動をします.すなわち,横波として取り扱います.右の図を見て下さい.もう少し我慢してね.普通に目にする光はこの振動方向がいろいろな方向に向いた光が混ざっております.その光を『偏光板』を通すと,その振動方向が一方向に制限され,偏光になります. 身近なところでは,魚釣り用の偏光眼鏡です.水面の『ギラギラ』を防ぐために使いますね.水に反射して目に入る光は水平方向に振動する偏光になっております.そのため,魚釣り用の偏光眼鏡は鉛直方向に振動する偏光のみを通すように加工されています. 右の図は光を通す場合と通さない場合を模式的に示したものです.波のように見えるのが光を表しております. |
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光を通す場合 |
光を通さない場合 |
電圧を加えていないときは液晶が製造過程で『覚え込まされた』図のように「ねじれ」ています.しかし,電圧を加えると液晶分子が電場の方向へ向き,そのため「ねじれ」が無くなり,光の振動方向を回転しなくなります.これにより光のON-OFFが電圧をかけるか切るかでできます. この製造過程で液晶に「ねじれ」を覚え込ませる技術が物理化学的手法です. |
光が通過する.光ON 白黒画面なら白 光が通過しない.光OFF白黒画面なら黒 |
さて,ここまでくると光の振動面(偏光面)が液晶の「ねじれ」に沿って回転すると理解される方が多いでしょう.しかし,それは正確ではありません. 少し難しいはなしになります さきほど述べた偏光は正確には直線偏光と言います.そして,その直線偏光を詳しく見ると右の図のように直線偏光は右周りの円偏光と左周りの円偏光が混ざったものです. 図の左にある赤色の太い筒が黄色の右周り円偏光と赤色の左周り円偏光に分かれる様子を模式的に示しております. |
直線偏光から円偏光へ |
右周りの円偏光と左周りの円偏光の位相が同じ場合は右の図の上のように直線偏光の振動する面が垂直になります. 一方,互いの円偏光の位相が180度ずれると右図の下のように直線偏光の振動面は水平になります.すなわち,直線偏光の振動面は90度回転をします. そして,円偏光の位相がずれる原因が液晶の作る『ねじれ』構造です.それで,『ねじれ』があると直線偏光の振動面が回転するのです.難しい話になりました.また機会を改めましょう. |